四角つなぎのパッチワークバッグ

先日キルトフェスティバルに行って来た。作家さんのオーラを感じる素晴らしい作品たちをたくさん観てきた。すごい、すごい!とかなり興奮して帰ってきた私は、キルトに触発されて製作意欲満々になっていた。人混み疲れでへとへとだったので、その日はさすがに製作はお休みして、いつもならそのまま寝てしまうだろうところが、気力だけはあったので、かわいくて心がじんわりするフランス映画を観てまたまた感動して、たった1日でたくさんのキルト作品たちとかわいい布、お気に入りになるであろう映画に出会えたことに満足して眠った。

そして翌日、この興奮さめやらぬうちにはじめるべし!とばかりに、起き抜けから早速、製作にとりかかった。いつも通り、まだ何も考えていないので、さてどうするかなと、キルトフェスで入手した布やら、ストックしてある布やらから、なんとなくピンとくるものを本能のままに引っ張り出した。もともと自分の好みの布を購入しているわけだから、どれをとってもかわいいなと思ってしまうんだけど、なぜかその日はきれいでかわいい色に目がいった。じゃ、このカットクロスがちょうどいいかも?とわりとすんなり心が決まった。
手にしたカットクロスの束は、プロヴァンスプリント。南フランスの自然をモチーフにしたかわいらしい模様がプリントされたコットンだ。プロヴァンスプリントのルーツはインドの更紗だそうで、南仏のおしゃれな雰囲気になんだかちょっとだけオリエンタルな香りもする。
そうだな、せっかくキルトフェスに行って来たんだし、足下にも及ばないけど、たくさんの感動をいただいた作家さんたちに敬意を表して、パッチワークしてみようかな。でも柄がかわいいからあまり小さくカットしたくないな。だったら四角つなぎかな。

ところが、そこからが結構大変だった。どの布をどういう風に配置するのか。たぶん柄は15ぐらいに、色違いが15ぐらいあった。30種類の布をとっかえひっかえ置いてみる。片面12枚くらいになるよう、だいたい大きさは決めた。
柄だけみて合わせていると、同じような色ばかり一カ所に集中してしまったり、かといって色だけみていると同じ柄が連続3つならんでいたりと、あっちに動かし、こっちに動かし、複雑なパズルに頭を悩ませる。そしてなんとか一応色柄の問題を回避した配置になった。
少し離れて眺めてみた。柄のコントラストがはっきりした布が目立っている。う〜ん、種類がもうないから、だったら色柄同一の布を入れるしかないかなと、それらをいくつかはずして、色も柄も同一の布をいくつか代わりに入れてみた。あ、この方が色のトーンがまとまってる!
この発見のおかげで、方向性がかなり見えてきた。その日の気分にしっくりきた。キレイな色はほしいけど、前日の出来事で満たされていたので、気持ちは落ち着いていた。あれこれ動かしているうちに、柄のつじつまも合うし、色のバランスも大丈夫だと思える配置が出来上がった。
あ、裏地決めてない(苦笑)持ち手は丸ハンドルを使おうと何となく思っていたので、がばっと開いてさっと出せる布が大事だなと、少し肉厚のするりとした手触りのサテンを選んだ。たんなる金色じゃなくて、落ち着いた黄金色で光沢のある布。トーンが表地とあっていてよい感じ。

ここまで決まれば、もう出来たも同然!と勢いよくミシン開始。せっかく決まった配置を間違えないようにまず1段目から4枚をつなぎ合わせた。そして2段目。次々に四角つなぎの布ができあがる。3段 x 2 が出来上がったところで、アイロンで丁寧に1段ずつ同じ方向に縫い代をたおす。2段目の列は縫い代を逆にたおす。縫い代の重なり部分を少しでも分散させるため、段ごとに交互になるよう、アイロンをかけおえた。

さ、つないでみましょ。四角が4つつながった長方形の布を縫い合わせていく。色とりどりの四角い布がひとつの大きな布地に変身していく。
小さな布きれから、大きなバッグへと成長していく過程を楽しみながら、始終充実した気持ちで、縫い進めた結果、プロヴァンスプリント独特ののんびりとでもなんだか小粋で、そしてインド綿みたいなオリエンタルな雰囲気をも合わせ持つ、かわいらしいバッグが出来上がった。とても穏やかな気持ち。

Posted by tito, [ 製作ノート ] 2005年02月10日(木)13:15 | コメント (0)

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