夏だけど、ヒナ祭り！
目玉を数えてみ、ほら5羽
ここ2日ほどの親鳥たちは食欲旺盛なヒナたちのためにせっせとえさを運んでいて巣の横ですれ違う程度だったのに、巣立ちの朝、巣のある木に親鳥が2羽ともとまってしばらく何か相談しているよう。ヒナたちも巣からあふれんばかりの大きさに成長しているし、そろそろかも…と早朝から気になって気になって。
ヒナたちのかわいいながらも力強い勇姿をよかったら見てください。夢中になって撮りました。写真いっぱいです（笑）
はいはい、みんな注目〜
朝5時頃から何度もえさを運んできて、腹ごしらえが終了した模様。その後、親鳥がしきりに巣の周りを行ったり来たりして、ヒナドリに話しかけているよう。
みんないい？きょう出発よ！
気の早いヒナが1羽、すでに巣上の小枝にのっかっています。これまでも巣の中でもみくちゃになりながら動きまわってはいたけれど、一度も巣を出たことのないヒナドリ。きょうは動きがより活発に。本当にいよいよ巣立ちのようです。
そんなとこ登っていいの？
つかの間、親鳥が周囲の安全確認に飛び立つと、好奇心の強い1羽がフライング。さらに上に登りました。下から心配そうに兄弟たちが見上げています。まだ状況がわかっていないのかもしれません。
う〜ん、見晴らしいいなぁ〜
これから起こる出来事に期待と不安でいっぱいです。
ぼくらも行かなくっちゃ
親鳥が戻ってきたら、ヒナたちがみんないっせいに、よちよちと巣からでてきました。あぶなっかしい足取りです。でも仕方ないですよね、だってはじめて枝につかまるんだから。
みんな、気をつけて
親鳥がそばの枝のあちこちに飛び移りながら、心配そうに見守っています。応援しているのかな。
あ、父さんがきた！
元気に一番高い位置まで登ってきたヒナドリをみつけて親鳥が飛んできました。どうやらこの子が切り込み隊長に選ばれたようです（笑）
よく聞いて
いいかい、坊や、お前がいちばん先に飛ぶんだよ
向こうについたらこれをあげるから、父さんと一緒においで
どうやらえさで誘導する作戦のようです。親鳥は木の実をくわえて話かけています。
うん、わかったよ
ヒナドリもお父さんの言葉に耳を傾けている様子。
ほら行くよ！
お父さんが飛んだら、お前も飛ぶんだよ！
親鳥は周りの安全を確認して、飛び出すタイミングをはかっています。ヒナドリも真剣な表情。えさが気になるのかな（笑）
今だ！パタパタパタッ
ど、どこにつかまったらいいの？！
親鳥に一瞬遅れて予想以上のスピードで勢いよく飛び出したヒナドリ。高い位置から少し落ちるように3メートルほど離れた木になんとか留まれました。どこにつかまっていいのかちょっと迷ったみたい。親鳥が先に留まったあと無事 木の葉の上に降り立ちました。半分落っこちたような感じだったけど（笑）
あ〜こわかったぁ
もし車道をはさんだ向かい側の茂みに向かって飛んで、車道に落ちたらどうしよう、とずっと心配していましたが、そんな心配は無用でしたね。親鳥はちゃんとわかっているんです。安全な歩道脇のどこに落ちても支えてくれる木の葉の生い茂った木を選んで誘導していました（感心）。
ヒナドリも葉っぱに隠れて、ほっと一息ついています。見たことのない景色に興味津々。辺りをキョロキョロ見回しています。
兄ちゃん、大丈夫だったかな？
つぎはあなたたちの番よ、と言わんばかりに親鳥が飛んできました。最初の1羽の飛んだ姿を見て、ヒナドリたちも大興奮。身を乗り出して見ています。残りは4羽です。
よいしょ、よいしょ
親鳥は最初の1羽の飛び立った様子から、もうちょっと上から飛んだ方が良さそうだと判断したのか、残り4羽をより高い枝先へと誘っています。みんな並んで、よちよちと一生懸命に飛び移って行く姿がなんともかわいらしい。彼らを驚かせないよう声をひそめつつも、がんばれ〜と声援を送らずにはいられません（笑）
おっとっと
飛び立ちポイントにジャンプで到着。と思ったら、バランスをくずして落っこちそうに。こっちまで焦りました。あぶない、あぶない。本人がいちばん焦ったと思うけど（笑）
つぎは僕らの番かな
どうやら残りの4羽は2羽ずつペアを組んだようです。親鳥に誘導されたどり着いた、隣りの木に一番近い位置のベストポジションで1組待機中。緊張するなぁ、なんて2羽で話し合っているのでしょうか。
お前たち準備はいいかい？
親鳥がまた木の実をくわえてやってきました。そろそろ飛び立つようです。最初の1羽は3メートルほど離れた斜め横にある葉の生い茂った木に誘導されましたが、その後の移動がたいへんだと判断したのか、思ったよりたくさん飛べると判断したのか、親鳥は巣の木から4メートルほど離れて並んでいる街路樹に、何度も行き来して、ここに飛ぶんだよ、と教えています。
うん、わかった、がんばるね！
ほらここ目がけて飛ぶんだよ！
親鳥は勇気のでないヒナたちをなだめたり、すかしたり、励ましたりしながら、目指す枝をしきりに行ったりきたり、何度もレクチャーしているようです。するとやっとヒナたちは意を決して、親鳥といっしょに隣りの街路樹に上手に飛んで行きました！
やったね、うまく飛べたね！
隣りの街路樹に無事飛び移ったヒナたち。安心したのか、最後の2羽を待つ間、つつきあったり、じゃれあったり、飛ぶ前の緊張した面持ちとは一転、テンション上がりまくりです（笑）。寄り添って留まっている姿がなんとも愛らしい。
待ちくたびれたよぉ〜zzz
あれれ？最後の1組のうちの1羽が順番待ちをしている間に待ちくたびれて眠ってしまったようです。まだ赤ちゃんだもんね、枝を登るだけでも疲れちゃったかな。それともかなりのマイペース？（笑）
何か残りものなかったかしら？
親鳥があちこちを飛び回って、寝ている子を誘い起こせるようなえさを探しているみたい。手っ取り早く見つけたかったのか、空になった巣にアタマをつっこんで残り物でもなかったかしら、と探しているようです。
これじゃ、だめね、あの子の好物採ってこなくっちゃ
親鳥は大慌てでえさを探しに出かけて行きました。その間、もうちょっと寝かせてもらえるね（笑）
あ〜よく寝た、そろそろかな？
親鳥がえさ探しに手間取ってしばらく戻ってこないと、不安そうにキョロキョロ辺りをうかがっていた最終組のもう1羽が親を呼んで必死に鳴き始めました。それでも眠っている1羽は起きません。やっとえさを見つけて慌てて親鳥がもどってきました。それでも彼は起きません。
さぁ、起きなさい、出発よ！
そんなふうに周りを飛び回りますが、それでも起きません。親鳥もしょうのない子ねぇと言わんばかりにあきらめて、不安そうに鳴いていたヒナドリの方へ飛んでいき、元気づけにえさを与えることにしたようです。するとなにをしても起きなかった彼が、なぜかそれには気づいてむくっと起き出しました。マイペースでさらに食いしん坊なのかも（笑）。せっかく見つけたえさがなくなってしまったので、親鳥はまたえさ探し。
すぐもどるから、眠ったり鳴いたりしないで待ってるのよ！
今度は2羽とも言いつけ通り、じっと待っている様子。
さぁ、行くわよ！
親鳥が極上の新鮮なえさを持ってもどってきました。いよいよ最終組の出発です。このえさがもらえるなら、泣き虫ちゃんと食いしん坊くんも釣られて飛ぶことができそうです。親鳥が何度も目指す枝へ行ったり来たりを繰り返し、やっとこの2羽も隣りの木に飛び立つことができました！みんながんばったね！（涙）
少し離れた街路樹の中をパタパタと小さな羽根で移動する様子が見えていましたが、しばらくすると木の葉の揺れもなくなりました。きっとまたさらに向こうの街路樹にみんなで飛び移って行ったのでしょう。みんな無事巣立ってほんとによかったなぁと思う反面、窓の外の空っぽでし〜んとした巣を見ると胸がキュンとするような、なんだかさみしくて切ないなんとも言えない気持ちになりました。
みんな午前中の早い時間にあっという間に行ってしまったので、これまで落っこちないかしら、カミナリ大丈夫かしら、などと毎日気にしていたせいか、ぽっかり心に穴の開いたような、拍子ぬけしたような、なごり惜しい落ち着かない気持ちで、ときおり外を眺めながら午後を過ごしていました。
本当にみんな行ってしまったんだな〜とやっとワタシがあきらめはじめた頃、「ピィウィー、ピィウィー」という、聞き覚えのあるかわいい高い鳴き声が聞こえてきました。あれ？まだそばにいるのかな。そうだよな、一気にそんなに飛べないから、この辺りでまだ練習してるんだな、とちょっとうれしい気持ちになり窓の外を眺めました。
ピィウィー、ピィウィー！ピィウィー、ピィウィー！
なんだかせっぱ詰まったような鳴き声で、しかもものすごく近くに聞こえます。どこにいるんだろう、とベランダに出てみました。
みんなどこ〜？
あっ！柵に留まってる！！
ベランダの端の方にヒナドリが1羽ちょこんと座っていたのです！飛行練習しているうちにきっとみんなからはぐれてしまったんでしょう。キョロキョロと辺りを見渡しながら、せいいっぱいの大きな声で親鳥を呼んでいます。
なんか用？
窓ガラス越しにヒナドリに見つからないよう、こっそりのぞいてみました。もう目と鼻の先。手が届きそうな距離なのです。うぎゃーかわいい！つい数日前まではホラーばりのギョロ目ちゃんだったのに、こんなに小鳥らしくなって…（目頭あつっ）。
あ”見つかっちゃった（汗）
眠くなってきたなぁ
こちらの存在に気がついた様子なのに、まったく逃げようともしないヒナドリ。まだキケンが察知できないのかな。それとも「あーいつも巣をのぞいてた人ね」とめずらしくもないのか（笑）。疲れて眠くなってきたのか、目を細めています。ふわふわのかわいい姿。まだつばさが小さく、尾も短いので、このずんぐり感、みどりのペンギンみたい（笑）。それにしても朝方より羽根も生えそろっているし、立ち姿もしっかりしてきた気がするな。マッパ状態で孵化して10日ほどで巣立ちなわけだから、成長はかなり早くて当然だよね。尾が伸びて、つばさが大きくなって、くちばしが黒くなって、そうそう、目のフチにしろい輪ができればもう親鳥とおんなじだね。
はやく見つけてくんないかな？
妙に落ち着いた表情をしながらも、大きな鳴き声をはりあげているヒナドリ。そしてときおり遠い目。あきらめるな〜！鳴いてるうちにぜ〜ったい父さん、母さんがみつけてくれるよ！それにしてもセミが無神経に大合唱してるから、このけなげな呼び声がかき消されそう。心配だ〜。
よ〜し、ここに着地
ワタシたちがずっとガラスにはりついていたらストレスだろうと、かなり部屋の奥までさがって遠巻きで様子をうかがってみることに。しばらくすると、パタパタッと目の前の巣の木に飛び移りました。もう撮影終わったから行きますか、ってカンジなのかな（とにかく撮らせてくれてありがとうね）。ま、彼なりにさすがに木の葉もない目立つ場所じゃキケンだと思ったのが妥当かな。飛び立ったあと、窓辺に走って行ってみたらさっきいた場所に置きみやげ。ちっこいフンが落っこちてました（やられた・笑）。
こっくり、こっくり
それからも木の上で途方にくれたように鳴き続け、疲れてしまい、ときどき居眠り。人間が電車でうとうとしてしまうように、ヒナドリもこっくりこっくり白河夜船です。落っこちそうになるとびっくりして目を覚まし体勢を整えて、また思い出したように鳴きはじめます。
早く親鳥迎えにきてあげて〜！！
それから1時間ほど経過。ようやく親鳥がはぐれヒナドリを発見！！車の音や、セミの声に邪魔されながら、きっとずっと探しまわっていたのでしょう。くちばしにはバッタをくわえてやってきました。この子を元気づけるためでしょうか。ヒナドリも元気を取り戻したように羽根をバタバタさせ、朝の巣立ちの時とは違い、なんの躊躇もなく親鳥といっしょに飛び立ちました。
これで、本当にお別れでした。きっともっと安全で食料が豊富な場所にみんなで飛んで行ったのだと思います。彼らがお隣り街路樹に巣をつくってからというもの、とても温かい気持ちがずっとカラダの奥を流れていて、彼らメジロ一家のおかげで、生命の強さやすばらしさをこの歳になってあらためて感じられた数日間でした。
メジロ一家になんだか感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう！！そしてみんな元気に暮らしてね！来年また大きくなってウチの隣りに巣を作ってくれたらいいな。最後のごあいさつにまで来てくれて…（涙）本当に本当にありがとう！！
今回はいいリアルぼく夏体験ができたってカンジでしょうか。あぁ、PSPの新しいぼく夏やりたくなってきたぁ〜（笑）。
……でもやっぱり空っぽの巣はちょっとさみしい…（ボソッ）
Posted by tito, [ 窓辺から ] 2007年08月07日（火）05:53 | コメント (4)
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コメント
こんにちは。
ひじめまして。 実は、ずっとチトさんのブログを拝見させていただいてたのですが、今回初めてコメントさせていただきました。
メジロちゃんのお話、ものすごーーーく！感動しました！
ブログを見るたび、成長の過程や様子が書かれていて、私も一人で一緒に観察している気分になり、いつもその後が気になっていました。 とうとうみんな巣立っていったのですね・・・涙 巣立ちの様子を細かく伝えていただき本当にありがとうございます！！！ こんなお礼なんてなんか変ですが、でもそんな気持ちです。小さな小さなメジロちゃんにとても大切なことを教えられました。 一言では言えないけど、命、親と子、人のあるべき姿・・・。 人間でさえ子育てが出来ない人もいる今の世の中。
普段なら、気づきもしない本当に小さな世界で、これまた小さな小さな命たちが見せてくれた、大きな物語。読みながら涙が止まりませんでした。どんどん溢れてきました。 空の巣を見るときのチトさんの気持ちもよくわかります。 これからもきっと何度も読んでしまうかも知れません。 本当に素晴らしかった！！！ 涙
Posted by ゆうこ , 2007年08月09日（木）16:19
ゆうこさん、こんにちは〜
いつもご覧いただいてたんですね、ありがとうございます！
いや〜ほんとメジロ一家には感動をもらいましたぁ。
忠実にうまく書けたかどうかわかりませんが、わたしにはこんな風にカンジられました。
あのおちびさんたち、みんな本当にがんばってましたよぉ〜
思い出しても泣けてきます（涙）いいかげんにしなさいって笑われそうです。
ウチにいながらにして、こんな間近に見られるなんて思ってもいなかったので、
よけいに毎日いっしょに暮らしているような気になっちゃって。
メジロ一家はたいして気にもとめていなかったかもしれませんが（笑）
ワタシのつたない文章を読み解いてくださってありがとうございました！
彼らの生命のいとなみの中にある底知れぬ奥深い力が、
ゆうこさんに伝わったのだと思います。
小さいカラダでほんとにすごいな、メジロ一家！
どこかできょうも元気に飛び回っていると信じています。がんばれ〜！！
お気楽ブログですが、またぜひのぞいてみてくださいね！
Posted by tito , 2007年08月09日（木）17:36
お返事ありがとうございます！
チトさんのブログ、とても楽しいのでいつものぞいてしまいます。笑
これからは来るたびメジロちゃんの思い出に浸ってしまいそう♪
お買い物はまださせてもらったことはないのですが、チトさんの作風、素敵です。
それではまた遊びにきますネ☆
Posted by ゆうこ , 2007年08月10日（金）13:40
次回新作どんなカンジにしようかな〜ときょうも考えていたところです。
いつかゆうこさんもチトセトラでお気に入りをみつけてくださったらうれしいです♪
ぜひまた遊びにいらしてくださいね！
Posted by tito , 2007年08月10日（金）19:51
