帆布製ベアトート
昨晩、お客さまからうれしいメールをいただいた。発送した作品が無事到着したというご報告とともに、作品を気に入ってくださったこと、つい2、3日前にテスト設置した人気バロメーターについてのご感想などなど。お客さまからの温かいお心遣いに本当に胸がじんわりした。おかげさまで雨降りの今日もなんだか元気いっぱいでいられた。
例の人気バロメーターをテスト設置した Op.6 帆布製ベアトート。昨日も結構たくさんアクセスがあったみたい。そんなに注目度が高いなら、早速作品紹介しなくっちゃ。
この作品にもいろんなお話があるんですよ。それでは、はじまりはじまり〜♪
このトートの布地は帆布。読んで字のごとく、この「はんぷ」というのは古くはエジプトで船の帆として使われたのが始まりといわれ、日本では明治時代にテントなどに使われるようになって、その丈夫さから、牛乳屋さんの運搬袋や学生かばんなど、どんどん生活に根付いたアイテムが作られるようになっていったそう。
そいえば私の中学生の頃の懐かしい通学用かばんも一部分が帆布だった。重〜い教科書を入れて、あんなに毎日使っていたのに、破れたりすりきれたりしなかったっけ。
この帆布、太い糸で織った平織りの布で、ざっくりとした風合いが素朴な味わい。そして耐久性にも富んでいる。
まだこのチトセトラをはじめるずっと以前に、一時期ちょっとしたアイデアコンテストへの応募に興味を持っていた。数多く開催されるいろんなコンテストの中で、もともとモノを作ることが大好きだった私は、帆布の代表的な産地でもある岡山県倉敷市の老舗帆布メーカー主催の“帆布を使った製品のアイデア募集”という小さなコンテストに応募してみることにした。試作品を実際に作って応募するのではなく、アイデアをまとめイラストにしてレポートのような形式で応募するコンテストだったので、次から次に浮かんできたいくつものアイデアをコンピュータを使って楽しんで描き、使用法や、説明を書いて応募させていただいた。そんな作業がとても楽しかったので、応募しただけで満足していた。そして締め切りが過ぎ、メーカーさんからお電話をいただいた。優勝ですと。予想外の結果に「え〜っ!?」とびっくりうれしくてしどろもどろになったのを憶えている(笑)
メーカーさんの粋な計らいでほんとは優勝は賞金だけの告知だったのだけど、副賞として帆布までいただけることに。もともと優勝なんて無理だと思っていて、間違って入賞でもして賞品の帆布がいただけたらうれしい!という気持ちで応募していたので、両方いただけるなんて!!と飛び上がって喜んだ。
というわけで、このベアトートの帆布こそ、そのコンテストでいただいた、有難〜い帆布なのである。帆布メーカーさんだけあって品質は間違いない。ざっくりとした素朴な手触り、綿帆布ならではの生成の自然で優しい色合い。いただいたとき、「手作りが好きなので大事に使います」と言ったら、担当者の方が「ご自宅のミシンで縫えるかな〜」とご心配なさったほど、この帆布にはしっかりとした厚みがある。
この帆布、たしかに一筋縄では縫えそうもない。だけど私の愛用ミシンは古いけれどどっしりとしていて頼れる奴なのだ。厚地用のミシン針や革用ミシン針に変えさえすれば、かなりの厚みもなんのその。帆布は5mもいただいたので、この相棒にがんばってもらって、これまでにちょこちょこといろいろなモノを作らせていただいた。
チトセトラをはじめるにあたって、そんな想い出の帆布にまた活躍してもらおうと、作品製作することにしたのだ。
帆布のバッグはとってもかわいいし、気軽に使える。だから世の中でもたくさんいろんな帆布バッグが販売されている。カジュアルで普段使いにぴったりの帆布製バッグ。老若男女とわず、持ち歩ける、誰もが一度はふれたことのあるそんな懐かしさのあるバッグ。
街や電車で、小さくおしゃれなショルダーバッグや、かわいらしい斜めがけバッグをかけている女性をよく見かける。だいたいそんな時、片手には大きなサブバッグをお持ちになっている場合がほとんどだ。私だって例外ではないけれど、女性というのはお出かけするにも、お仕事に行くにも、どうしても荷物が多くなってしまうことが多いから、小さなバッグひとつでは入りきらない。
サブバッグといっても様々で、ナイロンのショッピングバッグのようなものだったり、防水ビニールのプリントバッグだったり、どこかのステキなショップの紙袋だったり。
大人の女性が品良く、ちょっとだけよそ行き気分でも持つことのできる帆布製バッグ。そんな思いつきからこのベアトートを製作してみた。
書類や雑誌などが入るよう大きめにして、前面のポケットも厚みのあるモノでも入るようにマチ付きになっている。かわいらしさを出したくて、楽しく遊んでいるベア柄のインド綿のバンダナを帆布と縫い合わせ、前面ポケットに使ってみた。持ち手を革にすることで、少し落ち着いたよそ行き気分が出たのかな。内側も前面ポケットと同じベア柄の布と赤いバイアステープで縫いしろをくるみ、丁寧に仕上げてある。厚地の帆布なので、型くずれもしにくく、底の部分は帆布を二枚重ねてさらにしっかりした作りになっている。
実用性もあるし、ベア柄を使ったことでかわいらしさも出て、赤ちゃんのいるママさんや、教科書いっぱいの学生さん、書類を持って出勤するようなOLさんにもぴったりな、とっても大人かわいい帆布バッグが出来上がりました。
私のミシンががんばってくれたこのバッグ。ぜひご覧くださいませ⇒帆布製ベアトート
で、賞金の5万円はどうしたのって?…知らぬ間に使っちゃいましたよぉ(苦笑)
Posted by tito, [ 製作ノート ] 2005年02月19日(土)23:42 | コメント (0)
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