プリーツバッグ GRN

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くしゃくしゃ顔のかわいい奴

本日は新作紹介第2段!プリーツバッグ GRNのお話。はじまりはじまり〜♪

このバッグはオープン当初に掲載したプリーツバッグ YLW と BLU と同じシリーズ。布も色違いで、他にはプチピンタックバッグもこの布を使っている。
オープン時にたくさん作品を載せようと作りまくっていたのだけど、実はその時このプリーツバッグ GRN もほぼ完成、というところまで出来上がっていた。というか、他のYLWとBLUより先に作り始めていたのだ。

なんというかミッドセンチュリーを思わせるかわいらしいけど何かオトナの感じのする、この柄を見つけたときに、ピンときた。色だけとれば、私はこのグリーンが一番好みかもしれない。でもどれもかわいいよな〜。よし、4色とも買っちゃえ。
勢いで購入してうきうきしながら家に持って帰ってきたものの、とくにカタチを決めて購入したわけではないので、しばらくストック棚に放置された。だけれど来る日も来る日も、他のバッグ製作をしながら、頭の片隅でどうしよう、4色もあるし、と考え込んでいたのだ。

そろそろはじめねば、と思い、布を並べて頭を抱えていた。想いがいろんな方向にめぐってしまって、ちっとも定まらない。こんなことしていてもらちがあかないな、とグリーンを手にとって広げてみた。ん??なにかこの色合い、憶えがある気がする。なんだか、ちょっと懐かしいような…。

よくわからないままに、結局手をつけられない日々が続いた。

その頃、たしかオイラがブックオフでサウンドオブミュージックのCDを超お買い得価格で見つけてきて、喜びいさんでかけていた。サウンドオブミュージックというとなんだか一瞬、堅苦しいクラシック、きまじめで古くさいイメージを抱く人もいるかもしれない。私もこどもの頃、音楽の教科書にのっている『エーデルワイス』やら『ドレミの歌』は妙にさびしげ、やたらに楽しげ、と感じていて、あまり好きではなかった。こどもの私には良さがわからなかった。
こどもの頃は合唱団に入っていて、そこでサウンドオブミュージックを上演したことがある。私はなぜか先生に、一番上のお姉さん役に選ばれてしまって、友達みんなにひやかされ、なんだか恥ずかしかった。歌うことは大好きだったので、もちろんがんばって練習したけれど。その時にはじめてサウンドオブミュージックは『ドレミの歌』だけじゃないことを知り、『エーデルワイス』の意味を知った。こどもの合唱団だったので、こどもらしい歌いやすい曲を中心にミュージカルをアレンジしていたらしく、大人になるまで、CMなんかによく使われる『Sixteen Going on Seventeen』『My Favorite Things』などの聞き慣れた数々の名曲がサウンドオブミュージックだとは知らずにいたけれど。

そんな時にまたあの布をとりだした。そこで思い出したのだ。懐かしい色合い。そう、合唱団のミュージカルの衣装だ。サウンドオブミュージックの中ではご存じの通り、家庭教師のマリアがカーテンをこどもたちの洋服にしてしまう。そんな設定で役員のお母さん達が作ってくれた衣装。ちょっと厚地で緑がかった抽象的な花柄。当時は「これが衣装なんだ!」という喜びだけで、柄やらデザインやらの大人の趣味は理解できなかった。いまおぼろげに思い出すととてもかわいかったように思うけど。でも確かにグリーンだった。黄色い花がところどこに咲いていたように思うけど、こどもには渋めのグリーンだった。

その後の思考はこんな感じ。
カーテンから作った洋服→カーテンはドレープが命→カーテンみたいにドレープの入ったかわいいバッグ

この布は少し厚めでふんわり作れそう。カーテンのドレープは縦にはいっているのが基本だけど、ちょっとアレンジしましょうか。という感じで、脇から底にかけてひだをいれるつもりで布をかなり大きな半月型に2枚裁断した。
バッグの脇や底になるであろう部分に等間隔にひだを入れて仮縫いしていく。思った通りなんだかふんわり立体感がでてきた。よしよし。でもちょっと小さいかな。2枚とも仮縫い出来た状態で、前側、後ろ側、ぐるりをピンで合わせてみた。

あれ?縫い合わせがサイドにあるより、真ん中にあったほうがかわいい!!

そうなのだ、ひだをたっぷり入れたことで、縫い合わせを脇にすると、前と後ろでくびれが出てしまうのだ。それをくるりと位置をかえて横の角度からみてみる。本当はバッグの前中心、後ろ中心にくるはずの印をそれぞれ指でつまんで、縫い目が真ん中になるように持ち上げてみた。ほうほう、この方が逆に安定するし、しわくちゃ顔でなんだかかわいい。よし変更!

斯くして、脇から底にかけてぐるりと入るはずだったひだが、縫い合わせが真ん中になって中央にきた。気分一新。
荷物がはいっても表のふんわり感が損なわれないように、裏地はナイロン製のハリのあるモノにした。スーパーに持っていくマイバッグ、ショッピングバッグにも使われるようなナイロンだから、とってもしっかりしていて強度もある。ひだ分をまとめて、表にそわせ内側部分を作っていく。こうすれば荷物の重みがかかっても表のカタチにひびかないだろう。

バック口をぐるりと縫って、ミシンは終了。革の持ち手をカシメを仮止めしてみた。うん、かわいい!!
気をよくして、荷物を入れたらどうなるかな、と普通バッグに入れるであろう小物をいろいろと試しに入れてみた。お財布、ポーチ、タオルやら携帯やら。いい感じ。まだ全然入る。入るだけ入れてみようと、本やら手帳やらも入れてみた。だんだん重くなる。表の雰囲気は変わらない。よしよし。バッグの口閉じにアメリカンホックをつけていたので、留めてみた。なんだか留めづらい。

ということで、すごくかわいくて気に入ってはいたものの、アメリカンホックをやめてマグネットにするべきかな、ともう一度ほどくことを決意。それと口部分にもっと固い芯地をいれた方がいいな。

そう決めたものの、一旦ペースがくずれると、なかなか重い腰があがらなくなる。とりあえずこのバッグはそのままにして、次のバッグにとりかかった。そちらは順調にすすんで、YLW、BLUと納得のいくプリーツたっぷりのバッグが堂々完成した。そろそろオープンしなくては、という頃だったので、後から作った2つは掲載して、このバッグだけ、おいてけぼりにされた。

オープンすると、このふたつのプリーツバッグが好評で、はやい段階でソールドアウトになった。お問い合わせもいただいた。同じ色の布はもうないし、直裁ちしているから全く同じカタチは作れないし。だったら、あのGRNに再挑戦するしかないな。

そう思い始めて一ヶ月。直すということは自分の失態と面と向かうことになるから、なんとなく気が重くて、なかなか最終調整にかかれなかった。だけどお客さまのメッセージに後押しされて、がんばらなくっちゃ、と再挑戦したのだ。そして、なんとか今回の新作アップに間に合った。

このバッグ、オリジナル感はかなりあると思うんだけど、みなさんの反応はいかがでしょうか?最初よりグンと良くなった改良版、では、どうぞごゆるりとご覧くださいませ。⇒ プリーツバッグ GRN

Posted by tito, [ 製作ノート ] 2005年02月08日(火)15:53 | コメント (2)

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コメント

ふむふむなるほど、そんな秘話が。。

なんて思いつつ読んでいました。
「サウンド・オブ・ミュージック」、大好きなんですよ!
元々母が大好きで、初めて買った洋楽のレコードがこれなんだそうです。
母に薦められてレンタルしてきた「サウンド・オブ・ミュージック」、一気にジュリー・アンドリュースのファンになってしまいました。彼女はカツゼツがすごくいいんですよね。CDも持っていますよ♪
カーテンで作る洋服の所は好きです。

確かに今回のバッグってそんな雰囲気があるような?

でもこんな苦労と愛によって出来たものなんですね~~。

益々手作りが好きになってしまいました♪

Posted by 月ノ薔薇 , 2005年02月08日(火)18:09

サウンドオブミュージック良いですよね。
レコードだなんて、きっとジャケットかわいい気がする。
ぶつぶつノイズが入りながら聴くのもステキ。

聴いていると楽しくて、すべての曲を私がでたらめ英語で歌うのでオイラはおこっていますよ(笑)

このバッグの作品名、カーテンバッグにするべきだったかな(笑)

かわいい材料で手作り楽しんでくださいね♪

Posted by tito , 2005年02月08日(火)18:25